認知症を疑われて病院に来た時は本人の気持ちを尊重して

 

介護者や息子さん、娘さんに促されて
病院受診に来たというそんな認知症を疑われた
お父さんお母さんには配慮が必要です。
認知症かもしれないという事で不安が募り
病院受診に自らの意志だけで
診察に来られる方はほとんどいません。
だからこそ一定水準の配慮が必要と思うのです。

傾聴②

どうして配慮が必要なのかと考えてみると・・・

家族と一緒に病院の門をくぐってきた
ご本人の状況の話しもそこそこに
当日の日付や計算能力、記憶力検査
続いて頭のCT(コンピューター断層撮影)検査
血液・尿検査、視力・聴力、各種の運動機能検査を
されることが多いと聞きます。
不安な気持ちはどこかに追いやられ
次から次へと検査です。

そして、悲しいのは最終的に
診察に訪れているご本人の話はそこそこに
同行してきた家族や介護者の話に
耳を傾けてしまって・・・

この状況では診察の主役の本人の気持ちは
いたたまれない状態になっても
不思議ではないと感じます。
こんな時に「認知症」だの「アルツハイマー病」
という言葉が耳に入ってくると本人は
ますます不安がつのってきます。

いくつかのお薬を処方されて家路についても
その薬の服用に納得できない状況も出てきます。

傾聴①

考えていきたいと思うのは・・・

診察に訪れた本人の気持ちをねぎらいつつ
「最近の状況をゆっくりと尋ねる」
「どんな気持ちでここに座られているのか」
「今、困っている事は何かないか」
「毎日の生活はどのようにしておられるのか」
「楽しく毎日続けていることはあるのか」
「日常生活に張り合いや潤いを感じているのか」
「家族や近所の方と仲良く出来ているのか」
などをゆっくりと伺って行くという姿勢を
持っていたいということです。

傾聴③

医療関係者や家族が本人にしっかりと目を向け
尊重する姿勢を示すことで本人の不安は
少しずつ和らぐ可能性も出てきます。
認知症でしょうという結果になっても
本人が喪失しつつある自己肯定感
「セルフエフィカシー(自尊心)」や役割を
取り戻していくことにもつながっていきます。

本人を今以上に知るためにこれまでの人生で
その人が大切にしてきた人や物、仕事に趣味
こういったことを大切に聞いていくことです。
この過程は精神の治療にとって欠かせない
「精神療法」の第一歩とも言われています。

傾聴④

認知症に対する「精神療法」という関わりは
残念ながら現在の健康保険では
認められていないようです。
心の交流は表面上は見えにくい事と
重度の認知症の方にとって会話や感情の交流が
困難という点が加味されているからかもしれません。

しかし、どのような状況であっても
心の交流は可能です。
距離をあけたり、深く関わったり
好きなことに付き合ったり、はっきり物申したり
諦めたり、諦めなかったりと・・・
絶対的な配慮ものとで展開される
会話や感情の交流は本当に大切です。
本人にとって救いの一手段となると信じます。

傾聴⑤

専門家が本人をまず尊重する姿勢を持つことは
きっと病院に同伴されたご家族や介護者の
今後の介護の一つの見本となると思うのですが
如何でしょうか?


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